元旦か1月2日の夜、NHK総合テレビで「紅白歌合戦」の振り返りの特番を放送していた。大晦日に紅白を放送したばかりなのに何でこんな番組をやるの?と思いながら見たが、内容は昨年の紅白の裏舞台と今までの紅白の名シーンの振り返りで案外面白かった。むしろ、紅白自体よりも面白いかと。😂
音楽というのは個人的な思い出や時代時代の世相を映す鏡で、歳をとれば取るほどに、音楽に関する想いも増えていく。若い頃、父母が「懐かしのメロディー」を聞いて懐かしむのを見て、感傷的、非生産的だと思った。
それはそのとおりなのだが、歳を重ねると当時バカにしていたことがわかってくる。
番組は桑子アナと元嵐の桜井くんが司会をしていて、終わりの方で嵐が解散する前、最後の紅白のあいさつシーンが流された。
メンバーの締めくくり松本潤の挨拶。
「嵐が去った後に、虹のかかった美しい空が、どうか皆さんの前に広がりますよう。明けない夜はないと信じて。」
当時この言葉に感動して年賀状の返信に書いた覚えがある。
(参考)嵐、活動休止前最後の紅白でコロナ禍の日本へ5人で言葉つなぐ…松本潤「明けない夜はないと信じて」【紅白歌合戦】:中日スポーツ・東京中日スポーツ
あの時彼が言った「嵐」とは当時猛威を振るっていたコロナウィルスのことで、当時と比べれば嵐は弱くなった。確かに「明けない夜」はなかった。だが、それから1年少し経ちより深刻な嵐が吹いている。
ウクライナの人たち、アフガニスタン、イランの人たち、香港の人たち、ミャンマーの人たち、もしかしたらロシア、中国、北朝鮮の一般大衆も。理不尽な暴力、脅威、悪事、心ない言動は世界中で猛威をふるい、正直、美しい言葉などでは解決されない。
夜は明けないかも知れず、明けるにしても長い時間がかかり、多くの人びとの不幸はより大きく、止まらないのだろうか。
今朝、用事があり人と交わした言葉は暖かだった。「暗闇を明るくするのはそんな些細な思いやりの無数の積み重ねかも知れない」とふと思った。
多分、甘すぎる考えだが、暗闇に微かに点じた灯りであっても、暗闇よりはマシだ。微細な光でも百億集まれば少しは闇を照らせるかも知れない。
人にやさしくする。自分に何ができるか考える1年にしたいと思う。