はじめに
感染症対策で部屋の空気に対する関心が高まっており、「空気清浄機」の人気と売れ行きが高まっています。
例年でもこれからはうっとうしい花粉症の季節ですが、今年はさらに換気に気を付けなければならず、花粉症の人にはさらにつらい季節になりますね。
こうした中、新たに「空気清浄機」を購入しようと思う方のために、「空気清浄機」の種類、購入にあたっての注意点と、部屋の大きさ別のおすすめの製品をまとめてみました。
今回は広い部屋用の空気清浄機
前回は、一人暮らしや中程度の広さ=12畳~15畳(最大適用床面積が30畳)までの部屋向けでしたが、今回は12~15畳以上のリビングなど広い部屋用の空気清浄機と加湿空気清浄機の中から、おすすめの製品をまとめてみました。
前回同様、製品はネットショッキングの人気や評価サイトなどの評価を参考に選定しました。ご検討の材料にしていただければ幸いです。
※ この記事では、広義で使う場合は「空気清浄機」、狭義の単機能の製品を空気清浄機と記載しています。
「空気清浄機」のメリット~空気をきれいに臭いもとる
「空気清浄機」には空気をきれいにする、空気の臭いをとるという機能があり、毎日暮らす生活環境を改善できるというメリットがあります。
それだけではなく2月~5月にかけてのスギ・ヒノキ花粉の時期のみならず、花粉症のもう一つの大きな原因であるハウスダストを1年を通じて少なくする効果があり、花粉症で悩む方には欠かすことのできない道具です。
加えて、機種により程度は異なりますが、空気中の細菌ウイルスを除去することもできるため、現在のコロナ禍において、安心を与える効果もあります。
※ コロナウィルスに対する明確な除去効果を保障する実証データはないので過信は禁物です。
また、加湿機能や除湿機能の付属する製品は一台で部屋の空気の管理ができるので便利です。
「空気清浄機」の種類と特徴
「空気清浄機」には次の種類があります。
空気清浄機~空気をきれいに臭いもとる
フィルターで空気中のホコリ 、花粉、ハウスダストや部屋のニオイを除去する機能を持つ製品です。フィルターのほか、イオンを放出して空気中の菌やウイルスの作用を抑える(高機能の製品では床、壁に付着したものにも作用)製品もあります。
メリット:単機能なので加湿空気清浄機に比べて手間・手入れが楽。おしゃれで世界ブランドの海外製品が豊富
デメリット:日本のメーカーでは加湿空気清浄機に比べて売れ筋の製品が少ない。
加湿空気清浄機~空気清浄+加湿
空気清浄機に加えて加湿器の機能を持つ製品です。加湿器が不要となり省スペースにもなるので、現在売れ筋の製品です。
メリット:加湿機能があるので、空気清浄に合わせて部屋の加湿ができ、加湿器不要で省スペースになる。日本メーカーの製品が豊富。
デメリット:水の交換やメンテナンスの手間がかかり、手入れを怠るとカビや臭いなどが発生する。空気清浄機より大きい。海外製品は少ない。
除加湿空気清浄機~空気清浄+除湿&加湿
空気清浄機に除湿、加湿機能をあわせた製品です。
メリット:加湿機能だけでなく除湿機能もあるので一年中役立つ。まだ製品数が少なく比較的高価格。
デメリット:注水、排水の手間がかかり、手入れを怠るとカビや臭いなどが発生する。海外製品はあまりない。
脱臭機・空間除菌脱臭機~強い脱臭力
フィルターや次亜塩素酸により、室内のニオイや菌、ウイルスなどを分解・抑制し脱臭する製品です。メーカーにより脱臭方式と性能はさまざまに異なります。
メリット:脱臭に特化しており脱臭機能が強い。
デメリット:製品数が少なく比較的高価格
イオン発生機~狭い空間で便利
イオンを発生することで空気清浄、消臭を行う機械です。空気清浄機能は空気清浄機等より劣るので狭い場所向きです。
メリット:大きさが小さいので狭い場所に置ける。フィルター交換が不要。
デメリット:空気清浄機能はフィルター付きの空気清浄機等より劣る。発生するオゾンの発生量に注意が必要。
商品テスト結果「イオン式空気清浄機の性能及び安全性」 | 東京くらしWEB
「空気清浄機」を選ぶポイント
最大適用床面積(適用畳数)~実際の部屋の2倍~3倍が目安
「空気清浄機」を選ぶときにわかりにくいのが使える部屋の広さに対する表示です。
例えば現在売れ筋の加湿空気清浄機「シャープKC-J50」の仕様書の表記は次のとおりです。
- プラズマクラスター:空気適用床面積(目安)※1 約13畳(約21m²)
- 空気清浄:空気清浄適用床面積(目安)* ~23畳(38m²)
- 加湿空気清浄:空気清浄適用床面積(目安)* ~15畳(25m²)
それぞれ違うのでどれを選べばいいか迷ってしまいますね。
一般に「空気清浄機」については、空気清浄の(最大)適用床面積(畳数)が実際の部屋の2倍~3倍の製品を目安にするといいと言われています。
この数値は日本電機工業会で定めた基準に基づくもので「5本のたばこを吸った時の空気の汚れが30分できれいにできる広さ」ですが、実際はスイッチを入れてから30分も待てないので、より短時間で浄化できる製品が必要になります(少しわかりにくい基準ですね)。
この目安で計算すると本製品を使う部屋は8畳から12畳程度がよいということになります。メーカーの説明でも、プラズマクラスターの適用床面積約13畳を目安にするとよいと書かれているのでほぼ同じ広さです。
以上のことを加味して実質的な「おすすめ畳数」などを記載している製品もあるので、そちらを参考にされることもおすすめします。
フィルターの種類~HEPAがおすすめ
「空気清浄機」はイオン発生機など一部の製品を除き、集じん、脱臭など複数のフィルターを搭載しています。
このうち集じんフィルターが最近主流の「HEPA(へパ)フィルター」かどうかを確認しましょう。HEPAフィルターは0.3μmの微粒子を捉えることができるので、平均15~30μmの花粉をほぼ確実に取り除けます。
最近ではさらに小さい0.1~2.5μmの粒子を捕捉できる「PM2.5対応」のフィルターも出現しているのでより高い機能が欲しい場合はこちらにも注目しましょう。
フィルターの寿命~長いものがベター
集じんフィルターは消耗品なので定期的な交換が必要ですが、ひんぱんな交換は面倒ですね。寿命は半年のものから10年のものまで幅広いので、交換の手間が面倒な方はできるだけ長い寿命のフィルターの製品を選びましょう。
このように「空気清浄機」は製品ごとにいろいろな種類や特徴があるので、よく確認されてから購入することをおすすめします。
広い部屋用の空気清浄機、加湿空気清浄機のおすすめ製品
12~15畳以上のリビングなど広い部屋用(最大適用床面積31畳以上)の空気清浄機、加湿空気清浄機では次の製品などがおすすめです。
空気清浄機~海外メーカーは魅力的デザイン
空気清浄機は国内メーカー、海外メーカーから多くの製品が発売されていますが、国内メーカーは現在、加湿空気清浄機の方が売れ筋です。
海外メーカーの製品は個性的なものが多く、デザインが魅力的です。広い部屋向け、最大適用畳数の大きい製品にも魅力的な製品が多いようです。
⇧ 独自の整流翼とファンで大風量の空気を循環・清浄するクール・モダンな空気清浄機。PM2.5対応(0.3μmの微粒子を99.97%キャッチ)、最大適用床面積36畳、HEPAフィルター、フィルター寿命1年。空気清浄の強さによって明るさが変化。
⇧ おしゃれなデザインで強力な清浄力の空気清浄機。360度から吸引、天面から部屋中に空気を循環。PM2.5対応。最大適用床面積39畳、フィルター寿命6か月
加湿空気清浄機~日本メーカーの売れ筋
現在日本では加湿機能が付いた加湿空気清浄機が売れ筋となっています。
シャープ、ダイキンなどの日本メーカーが多くの製品を提供しており、広い部屋向け、最大適用畳数の大きい製品でも日本メーカーの製品が売れ筋となっています。
加湿空気清浄機については、空気清浄機を選ぶポイントに加えて、加湿機能の適用畳数とタンク容量も確認しましょう。
加湿機能の適用畳数
加湿できる広さですが、木造和室とプレハブ洋室で異なります。
タンク容量~大きいと給水頻度が減るが重い
タンクに給水できる水の量で、大きいほどが給水頻度が減りますが、大きさ、重さが増します。
⇧ ダイキン独自のストリーマ(ストリーマ放電により空気中の有害物質を分解)機能を持つ加湿空気清浄機。PM2.5対応(0.3μmの微細な粒子を99.9%除去)。最大適用床面積31畳、TAFUフィルター(HEPAと同等性能で劣化しにくい)、フィルター寿命10年。加湿適用畳数:木造11畳、洋室プレハブ18畳、タンク容量3.6L。「抗菌加湿フィルター」等により加湿フィルターの細菌の増殖を抑制
ストリーマ技術について | DAIKINストリーマ研究所 | ダイキン工業株式会社
⇧ 「プラズマクラスター25000」搭載のハイグレードモデルの加湿空気清浄機。PM2.5対応。最大適用床面積34畳、HEPAフィルター、フィルター寿命10年。加湿適用畳数:木造12.5畳、洋室プレハブ21畳、タンク容量4L。「Ag⁺イオンカートリッジ」等でタンクの水中の菌を抑制。フィルター自動掃除機能搭載
※ 「プラズマクラスター25000」はイオン濃度を25000個/cm3まで高め、壁面、床等に付着するカビ、ウィルスを抑制する効果があることが実証されています。
プラズマクラスターの効果 | 加湿空気清浄機/空気清浄機:シャープ
⇧ 空気中の有害物を抑制する「ナノイーX」(ナノイーより高い除菌効果)を搭載した加湿空気清浄機。PM2.5対応。最大適用床面積31畳、HEPAフィルター、フィルター寿命10年。加湿適用畳数:木造12畳、洋室プレハブ19畳、タンク容量3.2L。「3Dフロー花粉撃退気流」を搭載したハイクラスモデル。
⇧ 日立独自の「自動おそうじユニット」を搭載した加湿空気清浄機。PM2.5対応。最大適用床面積42畳、HEPAフィルター、フィルター寿命10年。加湿適用畳数:木造13.5畳、洋室プレハブ22畳、タンク容量2.5L。
他にも良い製品があるので、ぜひ確認してみてください。製品によっては、性能はあまり変わらない旧製品がお手頃価格になっているものもあります。
まとめ
いかがでしたか。「空気清浄機」は空気清浄機、加湿空気清浄機などの種類があるので、ニーズに合わせて、部屋にあった機能の製品を選びましょう。
空気清浄機は部屋の空気をきれいにして、毎日の生活環境を改善します。そして花粉の時期だけでなく、ハウスダストを1年を通じて少なくする効果があり、花粉症で悩む方の環境を快適にします。コロナ禍で部屋の空気の換気が必要とされる現在は特に役立つ製品です。
リビングなどの広い部屋には家族が集まることが多く、空気中の花粉、細菌、ウィルスやニオイなどが多くなり空気が汚れがちです。
家にいる機会が多くなる今、快適な住環境のために、「空気清浄機」の購入を検討されることをおすすめします。