日経平均が4万円を超えたが、暮らし向きが良くなっているとか、景気が良くなっているなどの実感はない。
景気以外のことでも、米国頼りの安全保障面の懸念は今後増大するばかりだし、GDPの世界4位への転落、少子化、慢性的な人手不足、民意を反映しない政治、治安の悪化など、この国の先行きには不安が大きい。
だから、専門家の日本経済の先行きを見越した株高などとの解説はにわかに信じがたい。海外投資家が中国市場から日本市場へ投資先を変えたことが主な理由だろう。
ただ、株高の背景には新NISAが好調なこともあるようだ。自分はバブル時代を経験し、かつリスク回避型の人間だから、もはや為替や株式投資はしようと思わないが、バブルの怖さを知らない若い人は積極的に投資をしているようだ。
結果がどうなるかわからないが、自分で経験してみるしかないと思う。
さて、株式投資が失敗する原因の一つには、安値の時に買い、高値の時に売るというタイミングがつかめず、ズルズルとタイミングを逃してしまうというところにある。見極めと決断力が必要だが、これはプロにも難しく、なかなかできるものではない。
もう一つ。株式下落で損失を出した場合、それを取り返そうと更に投資して損を拡大することがよくある。そうでなく、損失と割り切って手を引くか、余力があるのなら失敗の原因を反省した上で新たに投資するという考え方のほうが多分うまくいく。
株式に限らず、極端に言えばバクチでもそうだし、日常で買い物に失敗したとか、仕事で失敗してしまった場合でも、そのマイナスを取り返し全体としてプラスにするように頑張ろうとしがちだ。
それでうまくいく場合もあるが、焦って無理な決断をして更に深みにハマる方が多そうだ。
人生に置き換えて考えると、それぞれの人生にはプラスの時もマイナスの時もある。トータルでみてプラスなのかマイナスなのかもあるだろう。
とりあえず、自分はマイナス超過なのだろうが、これからいくら頑張っても、プラスに変えられる時間はないだろう。だからこれから先のことだけ考えれば良いのだ。
失敗の事実は多分なくならないにしても、思い出さなければ自分の中ではなかったことにできる。
「なかったことにする」
そうすることもできる。
それに気づくと心が軽くなるような気がした。