夜半に目が覚めると雨の音が激しい。この程度の雨はよくあるのだけれど、家が壊れないか流されないかとても不安になった。同時に家族が最近流行りの強盗や犯罪者に襲われはしないだろうかと胸が締め付けられて悲しくなった。
この世の全ては移ろいで絶対安全というものはなく、いたるところにある危険を普段は気にしないふりをしているだけなのだ。夜は本当の姿や心が露わになるのだろう。
次に目が覚めた時には無性に猫が飼いたくなった。あのふにゅふにゅした生き物と戯れてみたい。勝手に貰ってくると妻が怒るだろうし、実際に飼ってみれば、排泄物だとか病気だとか生きもの特有の面倒臭さがあり、後悔するだろうと思いつつ。そういえば、近隣で猫の里親を見つけるイベントがあることを思い出して、ああそのせいかと得心した。猫でも人間でもいい、触れ合いが欲しいのだろうな、本当は。