スマホは夢の携帯用コンピュータ
前の記事でスマホの影響で考えることをしなくなったと書いたが、スマホを否定するものではない。むしろ、スマホは夢の機械だと思っている。
思えば、自分にとって手のひらサイズの持ち運べるパソコンは永く夢の機械だった。特に何をしたかったかと言えば、自分にとっては持ち運べるキーボードとワープロの機能で、例えば、出張の報告書を帰り道に作成したり、いちいちメモと鉛筆を出さずにメモをとったり、外出先で考えをまとめて文章にするというようなことができたら便利だなあといつも思っていた。
スマホが現れるまでの携帯用コンピュータへの憧れ
携帯電話が出現して、文字入力で文書を書くことができるようになったものの、携帯の打ち方では文章にするのは苦労する。小型軽量のノートパソコンは既にあったが常時持ち運ぶにはかさ張ってしまう。
そんな2000年代前半に憧れたのがSHARPの「Zaurus(ザウルス)」。
携帯より大きな画面で小さなキーボード(ハード)で入力ができたが、高価で、パソコンとの連携ができないのが欠点だった。(そう言えばこうした小型の情報端末を当時はPDAと呼んでいた。ハンドヘルドコンピュータという言い方もあったかも)
当時携帯電話が主流の中、自分はウィルコムのPHSを使用していたのだが、ザウルスに似たキーボード付きの機種「W-ZERO3」が出、第二弾でより小型化された「W-ZERO3[es]」(2007年7月発売)を喜び勇んで購入したが、画面もキーボードも小さすぎて、正直実用性は乏しかった。
「W-ZERO3」
ウィルコムがキーボード搭載のPDA型PHS端末を発売,Pocket PC互換の携帯電話機向けWindowsを採用 | 日経クロステック(xTECH) より画像を引用
ウィルコム、デュアルキーボード/2.8型VGA液晶搭載「W-ZERO3[es]」 より画像を引用
なお、「W-ZERO3[es]」はPDAであるがザウルスと異なりWindowsに対応していて「PocketPC」と呼ばれていた。懐かしい名前だ。
その後、2007年にiPhone、2008年にAndroidスマホが発売されたが、これらの製品こそ自分が永らく待っていた製品だった。自分はiPhoneの代わりにiPodをWIMAXiで接続し携帯と二刀流で使用していたが、かなり理想に近い機械だった(片手で操作するにはあのくらいの大きさがちょうどよかった)。
スマホは、出張の報告書を帰り道に作成したり、外出先で考えをまとめて文章にするというようなことが簡単にできる。画面touchとフリック入力で、パソコンでできることが何でもできる。サウルスをいいな、欲しいなと思っていた世代にとって、まさに待ち望んでいた夢の携帯用コンピュータだった。
このあたりの感覚は生まれた頃、物心つく頃からスマホに接していたスマホネイティブ世代にはわかりにくいだろう。
手放すことはできないから、触れない時間を作る
ただ、何でもできる便利で面白すぎる機械なのでよほど意志が強くなければ触ってしまう。中でもネット、SNSの情報が特に中毒性があり、面白い情報、最新の情報と簡単に絆がれるから手元にあるとつい触ってしまうのだ。
文明なき時代に戻れないように、もはや人はスマホを手放すことはできない。問題があるのはスマホやネットという道具ではなく、使い方だと割り切るしかあるまい。
だとしたら、前に書いたように、あえてスマホ、パソコン、ネットに触れない時間を作って、自分の考えをまとめたり、ぼんやりと心を遊ばせることが一つの解決策かも知れないと思うのだ。
アナログを大事にする
それと、スマホで直接文章を打つのと、ノートにメモ書きし考えを巡らしてから書くのでは、文章の視点や深さが変わってくる。プログにしても、時間があるならば、本当はそういう書き方のほうがいいのだと思う。
そんなふうにアナログの部分を大事にすることも、今の時代必要なのでは?