【保守の立場からの意見です】
人の心に踏み込み、考えを強制するのは自由に反することだ。当たり前のことだが、この国でもその不自由がまかり通っている。
LGBT理解増進法案が可決される見込みだと報道されている。デリケートな問題と理解するも、なぜ法律を作るのか正直わからない。理念法であるにせよ、法律となれば国の指針になり国民の心を強制する。大きな声を上げる人たちが国の後ろ盾をもらいもっと大きな声を上げる。
法案に反対する保守の方は日本は歴史的に同性愛にも寛容な国だから欧米の真似をする必要はないという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ee9d42e1032b2a97f69a1c91f697208a354f3dac
それもあるが、自分がこの法案に抵抗を感じる一番の理由は、人の心に踏み込まれることだ。
法案を推進する政党は、立憲、共産を除けば欧米、G7各国がそうしているからという理由しか持たない。何も考えていないと言われても仕方があるまい。日本には歴史と伝統を守るべき本当の保守政党はないのだ。自民に保守はいるのだろうが法案に賛成するなら存在意義はない。
考え方は人それぞれだから、生理的にイヤだと感じるのも、受け入れるのも自由なはずなのに、国が国民に理解しろ、受け入れろと強制する。それ自体もおかしいのに、さらに法律まで制定する必要は全くない。
欧米では過度なLGBT施策が子どもに悪影響を与えるとし、見直しされる傾向のようだ。
米国、若いトランスジェンダーへの規制強化 共和党主導 - 日本経済新聞
マイナンバーカードにしても、この法案にしても欧米で見直しがされる中での推進。日本が周回遅れでポンコツなのは、経済やITだけではない。
この法案に対して、欧米リベラル的政策の恩恵を受けてきた女性団体が反対しているのも内輪もめのようで皮肉である。
6月9日の朝日新聞「天声人語」で、この法案に関して芥川賞作家の李琴美さんのエッセイから、悪いのは道徳や生殖や国益などの「独善的な尺度を押しつけ、それによって人間の価値を断じようとする社会の暴力性だ」という一文を引用していたが、さすが朝日だ、うーんと唸った。
「独善的な尺度を押しつけ、それによって社会の価値を断じようとする少数派の暴力性だ」ではないの?
少数派の中にも、多様な意見があるはずなのに活動家の大きな声だけを取り上げるのはおかしいと思う。
散漫になったので、要点を言えば、博愛主義も理想論も素晴らしく、結構だけれど、人に押し付けるな。押し付けたとたんに、博愛は偏愛に、理想は独善になる。本来、心の自由に敏感であるはずの欧米リベラルは偽善的な博愛主義、偏狭な理想主義に陥っている。
その真似をした理想主義、博愛主義の押し付けはもうやめませんか。