オリンピック関係者の感染
昨日東京オリンピック2020が終わった。
コロナで1年延期、開催するかしないか、観客を入れるか入れないかで揉めたほか、多くのスキャンダルや紆余曲折があって「呪われた五輪」とも言われた。そんな、こんがらがった宴、祭りが閉幕した。
五輪関係者への感染対策では多くの不手際が相次いだが、開催前に反対派や専門家が懸念していた海外関係者からの大きな感染拡大、東京発の変種株の発生は、幸い、今のところ起きてはいないようだ。
オリンピック放送の罪
自分はオリンピックだらけのテレビはあまり見たくなかった。実際あまり見なかったし、「感動」もしない。金メダルの数も数えなかった。
なぜなら、オリンピックで感染拡大する不安はもちろんだが、それ以上に国民の意思に関わりなくなし崩し的に開催に突き進んで行った状況の怖さと、オリンピックが始まりメダルラッシュになると「国民は感動で開催に否定的な雰囲気が薄れ政権の支持率が上がる」とする政府関係者の目論見が国民をバカにしていて甚だ気に入らなかったからだ。
そんな政治家の魂胆に乗せられるのは嫌だったし、それに乗せられてしまうと、今後もっと重要な事柄が勝手に進められてしまうのではないかという恐怖がある。
しかし、今日発表された朝日新聞の世論調査だと、オリンピックをやって良かったと思った人が56%!5月には8割が開催延期か中止だったこの国でだよ。
お人好しにも程がある。政権のなし崩し強行開催も、専門家の意見を聞かなかったことも、バッハの言いなりだったことも忘れていいの?
朝日新聞社は7、8日に全国世論調査(電話)を実施した。菅内閣の支持率は28%と昨年9月の発足以降、初めて3割を切った。不支持率は53%。東京五輪開幕直前の7月調査の支持31%、不支持49%からいずれも悪化した。五輪開催は「よかった」が56%、「よくなかった」は32%だった。(Yahooニュース、朝日新聞デジタルより引用)
あれだけ毎日毎日テレビで放送するし、オリンピック以外の番組か少ないから半ば強制的に観ることになる。見れば面白いし、選手は一生懸命やっているので、自覚がなければ流されて「感動」してしまうだろう。
NHKは総合放送も教育テレビも五輪番組ばかり。民放もほとんどが五輪ばかり。ある意味五輪洗脳である。とても怖いと思った。
オリンピックそのものよりも、国民を感染爆発などの情報から隔離して、五輪まみれにするテレビ放送の方が害があったのではとさえ思う。
しかし、それにつけても、すぐ忘れてしまう、すぐ水に流してしまうこの国の国民性は危うく、困ったものだ。
感染爆発の今でも、オリンピックをやって良かったと言う回答が56%だから、もし、ここまで感染が広がらなかったら大半の人が肯定していたのかもしれない。そして菅政権の支持率が上がったのかもしれないと思うと、とても怖い。
オリンピック開催と感染爆発
結果として、菅、小池氏の「五輪と感染拡大は無関係」という言葉とは裏腹に、尾身先生などの専門家が予測し提言していたとおり、また、世論調査で現実に多くの人がそう感じているように、オリンピック開催による高揚感や気の緩み
、政権・政策への不信感から来る自粛への反感などを大きな要因として感染爆発が起きてしまい、今のところ沈静化する様子はない。
この夏の東京五輪の開催で、新型コロナウイルス対策としての世の中の自粛ムードが「ゆるんだ」と答えた人は61%――。朝日新聞社が7、8日に実施した全国世論調査(電話)で、そんな結果が出た。「それほど(ゆるんだというほど)ではない」と答えた人は、32%だった。(Yahooニュース、朝日新聞デジタルより引用)
さて、朝日新聞の世論調査では菅政権の支持率が28%に低下したようだか、コロナや政権の行方がどうなっていくのか。
普段であっても、宴の後は寂しく虚しい。まして、こんがらがった挙句、たくさんの重い荷物を残した今回の宴は、その後始末も大変厳しいようだ。