マイナ運転免許証の導入
来年3月からマイナンバーカード運転免許証の導入が決まったようだ。
以前から言われてはいたが唐突感がある。任期が(人気も)少なくなった河野デジタル担当大臣が急がせたのだろう。
当面、従来の免許証と併用するようだが、マイナ保険証も当初は併用制だったので、2、3年後にはどうなるかわからない。
マイナ免許証を使うと更新手数料が安くなったり、安全運転講習がオンラインで受けられるようになるとのこと。一方従来の運転免許証はいずれ本人確認書類として使用できなくするようで、露骨な飴と鞭である。
多機能集約マイナカードの危うさ
マイナ保険証もそうなのだが、なぜ一枚のカードに機能を集約させるのだろう。リスク管理の基本はリスク分散であるのにそれに反するばかりか、諸外国でもこうしたやり方はないらしい。そもそもの考え方が理解しがたい。
健康保険証や運転免許証をマイナンバーと紐付けること自体、国に個人情報を一元管理されると根強い懸念があるが、利便性、行政の効率化の面から許容するとしても、健康保険証、運転免許証の方を存続させてデジタル化するほうが遥かにリスクは少ない。
マイナンバーカードの使用は偽造防止の目的もあるらしいが、単体でデジタル化すれば対応できる話だ。多少コストがかかるかも知れないが、一枚のカードに集約することの様々なリスクを考えれば独立したデジタル化の方がベターだろうに。
運転免許証としてマイナカードを使う場合、健康保険証以上に外に持ち出す機会が多くなる。紛失した場合、医者は全額自費になるし、車は運転できない。健康保険証も免許証もなければ本人確認もできなくなる。どうするんだ。
現行の運転免許証を再発行する場合、免許センターで手続きをすれば即日交付されるが、マイナカードは市役所等窓口で申請してから再発行まで2、3週間かかる。またもう一度窓口に受け取りに行く必要もある。良いことがない。
さらにマイナカードの再発行には健康保険証、運転免許証等の本人確認書類が必要だが健康保険証は廃止され、運転免許証もない場合どうするのだろう。笑い話ではない。
マイナカードに機能を集約すると詐欺などに悪用されるリスクは非常に高くなる。
評論家はマイナンバーカードのセキュリティはしっかりしていると言うが、外国人犯罪者などにかかれば容易に破られるのではないか。
また、他の本人確認書類がなくなるので、本人の立証も容易ではなくなる。どうするのか。わかっているのは国は責任を負わないということだ。
警察官が苦労する
警察の方も大変だと思う。今は目視で確認すれば良いものをいちいち携帯端末に読み込ませなければならない。時間もかかるしエラーも出るだろう。電波状態が悪いと確認もできない。検問も警察官と運転者双方が不幸になる。
ニュース情報では警察庁は反対したが総務省に押し切られたとのこと。半グレ、闇バイト、増え続ける不法外国人等の犯罪、現場の警察官の仕事は今でも手一杯なのに、マイナ運転免許証で警察が機能低下して世の中の安全が更に脅かされては国民はたまったものではない。
独善的な権力者の怖さ
少し考えただけでデメリットやリスク、不安が大きいマイナンバーカードへの諸機能の集約。河野太郎大臣が就任してから強権的な進め方が多過ぎる。
知見がなく独善的な人間に権力もたせると国民は事実上ストップをかけられない。河野氏がデジタル大臣になった2年間でマイナンバーカードは一方的に制度変更され、元には戻らない。
今総裁選を賑わせている小泉進次郎氏も河野太郎氏も同じ神奈川県選出の3、4代目世襲議員。世襲議員を全否定するものではないが、お二人とも、苦労知らずのボンボン、残念だが思慮が浅く独善的。世襲が悪い方に出ている典型の人だ。
思い起こせば前回の総裁選では河野氏は第1回投票ではトップだった。総裁、総理になっていたらと思うと冷や汗が出る。
資質も知見も性格も不適格な人間を総理大臣などにしたら、国民の暮らしと安全が脅かされる。被害はマイナカードどころではすまないのだ。
引き続き総裁選の行方を注視したい。