keepr’s diary(本&モノ&くらし)

ネット、読書、音楽、散歩、最近はイラストが趣味のおじさんです。趣味、商品、暮らしの疑問、感想を思いつくまま綴ります。

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【コラム】盆提灯と走馬灯

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7月、8月のお盆用に青や白の盆提灯(ぼんちょうちん)が店頭で売られている。


学生の頃だったか、店頭で見かけた青い盆提灯を、綺麗な走馬灯だと勘違いして家に買って帰り、母や祖母に「これお盆に使う提灯だよ」と教えられて驚いたことがある。


毎年夏休みには父母の実家にお盆に行っていたし、家でもお盆の飾り付けをしていたのに不思議だが、多分盆提灯は見たことがなかったのだろう。

 

 

勘違いした「走馬灯」の方だが、人生の終わりに様々な出来事が「走馬灯」のように脳裏を駆け巡るとよく言われる。

 

実際の走馬灯がどんなものかと言うと、人や馬の絵がろうそくの熱で回転し、外側の紙の枠に影絵のように回転して映る中国伝来の回り灯籠のことだ。


そう言えば、祭りの縁日でセロファンで色を付けた四角い回り灯籠=走馬灯を売っていたような気もするし、もしかして学校の工作の時間に作ったかもしれない。


今も売られているのか気になって、ネットで検索したが、なぜか盆提灯しか出てこなかった。


確認すると、走馬灯は中国から伝来して、日本では江戸時代に夏の夜の納涼用の娯楽として登場したようだ。

走馬灯 - Wikipedia


また、こちらの提灯屋さんの情報では、回転式提灯は昭和30年に廻転二重電気提灯として実用新案特許を取得し、ヒット商品となったとのこと。最初は納涼用として売られていたが、昭和40年頃に盆提灯としても作られるようになり、特許期間が過ぎた昭和45年には他社からも盆提灯などとして爆発的に売られるようになったようだ。

廻転行灯のはじまりといま - あかりや次七


つまり、走馬灯は本来はお盆の回り提灯のことではなく、元々は娯楽、観賞用のものが提灯屋さんにより盆提灯に使われて今では走馬灯と言えば回転灯の盆提灯ということになったようである。


盆提灯は霊や宗教に関わる品物なので走馬灯として楽しむ訳にはいかない。娯楽、鑑賞用に楽しむには手作りするしかなさそうだ。


ただ、記憶にあるように、走馬灯は本来は夏の夜の幻想的に彩る美しい灯りだ。「映える」が好まれる今の時代にニーズはありそうなので、盆提灯以外の製品を販売すれば売れるのではないかと思う。


LEDの鮮やかな光を映すものでも良いが、昔ながらの懐かしい白熱灯の回転灯籠であれば、LEDの光が氾濫する中で、懐かしく幻想的な模様を映し出してくれるに違いない。


ところで、冒頭の盆提灯の話に戻ると、結局返品したのか、家のどこかにしまったのかはよく覚えていない。


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