イトーヨーカドーが低迷
先日、イトーヨーカドーの経営計画で店舗を大幅に閉店することが報道された。確かに地元のイトーヨーカドーを見ても、昔ほどの活気はない。
地元の店は昨年末に大幅な改装があり、店舗側も立て直しに努力しているのはわかるが、どうもさほどの効果があったとは思えない。
利用者として今の店舗で気になる点をまとめてみた。
この店の状況としては3、4年前に近くに関東地場の大型食品スーパーが出店して、現在はそちらのほうが繁盛している。ここの店舗は3階建てで、1階はヨーカドーの生鮮食品と日用雑貨、フードコートなど、2階は衣料品などの売り場、3階が大型電器店等だ。
生鮮食品売り場について
売り場の陳列方法
昨年11月に大幅改装を行っている。全体的に高級スーパーをイメージした黒っぽいトーンの高い陳列棚に変わった。競合している大型食品スーパーを意識したのかも知れないが、ウォールマートのような倉庫的な雰囲気になってしまい違和感がある。この店舗は比較的高齢者が中心なので、従来の白を基調とした清潔感のある内装のほうが良かったと思う。これは日用品売り場も同様だ。
惣菜売り場が改悪
改装後、惣菜、弁当類は平机の上に並べる売り場になったが、照明のせいかあまり美味しそうに見えない。品数は変わらないのかも知れないが、どうも種類が減ったような印象だ。これも失敗だろう。
使えない「ピピッとスマホ」セルフレジ
改装に併せてイトーヨーカドー独自の「ピピッとスマホ」のセルフレジが導入された。自分も何回か試したが、カートに入れる都度自分のスマホでコードを読み込む必要があり非常に面倒で、人の流れの邪魔になる。自分は通常のセルフレジのようにセルフレジでまとめて読みとり精算していたが、野菜などは売り場でバーコードを読み取らないといけないので、面倒になり結局使わなくなった。他の人も同様のようで、ピピッとスマホのレジはいつも閑散としている。普通のセルフレジのようにしたほうが良かったのは言うまでもない。アイデア倒れ、詰めの不足だ。
付け加えれば、このレジができた11月には「ピピッとスマホ」アプリをインストールしたが、3月からイトーヨーカドーアプリに機能が統合されたため、このアプリは3ヶ月しか使えなかった。余計な手間である。セブン&アイは以前「セブンペイ」がシステムトラブルで頓挫したり、セブンイレブンアプリ、イトーヨーカドーアプリも遣いにくかった印象がある。システム、IT部門が弱いのだろうか。
品揃えについて
競合他店舗と比較すると、例えば魚の西京漬けの切り身がフライパン専用になっていたり、コンビニ用の焼き魚が置いてある(歓迎する人もいるだろうが)、種類が少ないなど見劣りがする。また、新発売のキリン「午後の紅茶おいしい無糖ミルクティー」も置いていない。
惣菜売り場も種類が少なく代わり映えもないので、他の競合店で買うことが増えてしまう。
衣料品売り場について
11月の改装ではいくつかの店舗が撤退し、ヨーカドー関係ブランド売場を含めて衣料品売場は以前より広くなった。ずっと空き店舗となっていたスペースに100均の大きな売り場ができて2階のフロアは明るくなった気がする。
しかし、ずっと愛用していたイトーヨーカドー直営の衣料品売り場は狭くなり、特に紳士用品の売り場は大変寂しくなった。
現役時代はスーツ、ワイシャツなど、青山、アオキなど紳士服量販店よりもイトーヨーカドーのほうが好きで、カジュアルウェアもユニクロで好みに合わないものはイトーヨーカドーで購入していた。
この店舗はスーツ売り場が段々と小さくなり、カジュアルウェアも小さくなってきたのだが、11月の改装以降はほとんど見るべきものがなくなり、ますますお客が離れるばかりだ。
年配の人間にはまだまだヨーカドーの衣料品への愛着があるのだから、非常に残念だ。
復活に向けて
生鮮食品も、日用品も衣料品も競合が厳しいのはわかる。ただ、むやみに競合店のマネをしても、お客は遠ざかるばかりだと思う。イトーヨーカドーは比較的高齢者層に馴染み、強みがあるので、従来のカラーを残すべきところは残して、ニッチ戦略でもいいから、ターゲットを明確にしていった方が良いのではないかと思う。
せっかくの好立地と今まで培ったブランドイメージがあるのだから、それを活かして頑張って欲しい。
そんな願いを込めて、羽ばたくイメージを冒頭の絵にしてみました。