keepr’s diary(本&モノ&くらし)

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【本の感想】姉小路 祐「京女殺人法廷 裁判員制度元年」


京女殺人法廷 裁判員制度元年

あらすじ

京都の町家住まいを売り物にするタレントが殺された。初めての裁判員裁判裁判員、判事それぞれの思いの中で試行錯誤しながら進められるが、錯綜した事件の真相は何か?裁判員裁判開始時点の裁判の実情と京女にまつわる殺人事件のナゾを解く。

目次

序 章 予定外の通知──裁判員・赤塚大輔の場合 
第一章 試行錯誤──判事補・左近芳香の場合 
第二章 公判の開始──裁判員・伊藤輝雄の場合 
第三章 対立の構図──裁判員・宇野ちひろの場合 
第四章 秘密の吐露──裁判員・江崎栄助の場合
第五章 意外な展開──裁判員・長田洋子の場合 
第六章 見切り発車──裁判員・金井富江の場合 
第七章 九十九パーセント超の確率──裁判長・日比野進の場合 
第八章 求刑と最終弁論──補充裁判員・岸本俊男の場合 
第九章 評議のゆくえ──判事・秦雄志の場合 
第十章 出された判決──補充裁判員・草川百合子の場合
終 章 解散のあと──市民・赤塚大輔の場合

感想

ミステリーは大分読んでいるはずなのに、恥ずかしながら著者の姉小路氏は知らなかった。確認すると、山村美紗、西村京太郎など(懐かしい)のような2時間ドラマの主要原作者とのこと。

ストーリー展開、文章など全体として骨太の感じであり、最近の若い作家の作品と比べて、しっくりくる、何か違和感が少ない気がする。そうだ、これが昔慣れ親しんだ推理小説なのだ。

最近のミステリーに多い、必要以上の大げさな描写、残酷な描写、情緒過多などがない。セクハラ、パワハラという言葉も出てこない。ディテールがしっかりしていて細かく取材されているのがわかる。やはり、かつて自分が読み親しんだ推理小説の味わいなのである。

 

著者を検索してみたら、19980年代から活躍している方で、西村京太郎、山村美紗氏らとともに2時間サスペンスの原作者とのこと。自分とも同世代なので、微妙な感覚が合うのだろう。

最近では再雇用警察官シリーズなどがテレビドラマ化されている。他の著作も読んでみたい。

 

この作品をおすすめしたい人

  • オーソドックスな推理小説、警察小説を読みたい人
  • 昔ながらの推理小説を読みたい人
  • ディテールのしっかりした作品を読みたい人
  • 比較的高年齢の人

 

著者について

姉小路(あねこうじ ゆう、1952年〜)は、日本の小説家・推理作家。京都府生まれ。大阪市立大学法学部卒業。立命館大学大学院政策科学研究科博士課程前期課程修了。司法書士の資格を取得した後に、1989年「弁護士・朝日岳之助」シリーズの第1作となる『真実の合奏(アンサンブル)』が第9回横溝正史賞佳作を受賞。1991年には『動く不動産』で第11回同賞大賞を受賞。「朝日岳之助」シリーズ、「刑事長」シリーズ、「署長刑事」シリーズなどを執筆し、山村美紗、西村京太郎らに続く2時間ドラマの主要原作者である。

 

主な作品

朝日岳之助シリーズ
・「真実の合奏」(1989年5月 カドカワノベルズ)ほか

 

司法書士・石丸伸太シリーズ
・「動く不動産」(1991年5月 角川書店)ほか

刑事長シリーズ
・「刑事長」(1992年8月 講談社ノベルス)ほか

署長刑事シリーズ
・「署長刑事 大阪中央署人情捜査録」(2011年8月 講談社文庫)ほか

 

他著作多数

※ 著者、作品はフリーの百科事典Wikipedia 姉小路祐 - Wikipedia を参考にした。

 

 

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