40代頃から人生の残り時間が気になってきて、時間の浪費にも見えるゲームを余りしなくなったが、ファミコンが流行っていた頃、特にドラクエⅡが出た1987年から1990年代にはゲームにのめり込むことが多くなった。
ファミコン、スーパーファミコン、プレイステーション、ゲームボーイと時代に合わせて楽しんだが、どのゲームが一番面白かったかと聞かれれば、違いなくファミコンのゲーム。アクションゲームは得意でないので、ドラクエⅡ、デジタルデビル物語「女神転生」、ファイアーエムブレム「暗黒竜と光の剣」の3つがあげられ、いずれも甲乙つけがたい。
自分は当時30代で仕事が忙しい時期だったが、妻が出産で里帰りしている時期にはこれ幸いと夜遅くまでプレイしたものだった。
ドラクエⅡ
言わずと知れた、日本でロールプレイングゲームを普及させた傑作であり、当時職場で30代、40代の同僚や先輩が攻略状況を自慢しあっていたのが思い出される。1字間違えると再開できない「復活の呪文」が懐かしく、今考えるとよくあんな面倒なことをしていたと思うのだが、少し経って、確かドラクエⅢあたりからはバッテリーバックアップになって呪文は不要になった。ただ、メモしておけばどこの場面からも再開できたので、あれはあれで便利だったかもしれない。
ラスボスにたどり着く少し前のマップで、「ギガンデス」だったと思うが一つ目の巨人に何度倒されたことだろう。
デジタルデビル物語 女神転生
「メガテン」シリーズの最初の作品だが、未だにシリーズではこれ以上の作品はないと思っている。このゲームはドラクエ以上に攻略が難しく、攻略本のマップにトラップを書き込みながらプレイしたものだ。今考えると信じられない。
荒いドット画面だったが、ダサい悪魔のデザインがなんとも味があり、2作目からキャラクターデザインが変わってしまったのが非常に残念だ。
世界中の神や悪魔、モンスターを集めたおどろおどろしい世界観にハマり、邪教の館で仲間を合体させて強い仲間を作れたときの喜びはなんとも言えなかった。投げ出してしまう寸前で進めるゲームバランスが絶妙だった。
ファイアーエムブレム「暗黒神と光の剣」
これもこのシリーズ最初の作品。女神転生もそうだが、この作品がヒットしたことから今もシリーズが続いているのだ。
当時、パソコンからの移植でファミコンでも「シムシティ」や「信長の野望」などのシュミレーションゲームは存在したが、ロールプレイングシュミレーションゲームという分野を開拓した傑作である。
リアルに戦闘をしている感覚と戦略的な面白さが最高で、マップが進むにつれ難易度は高まり、一度死んだ仲間は最後まで生き返らないというシビアなルールもあるので、何度リセットしたことか。必殺の一撃が出て強い相手を倒す快感や、ギリギリのところで面をクリアできるゲームバランスが絶妙だった。
ファミコンゲームがあんなに面白かったのは、ゲーム体験の初期ということもあるだろうが、簡素なドット絵だからこそ想像力を掻き立てられる部分が多ったからではないか。ゲームバランスの素晴らしさとともに、イマジネーションの広がりがあった気がする。
その後、スーパーファミコン、プレイステーションとゲーム機が進化するにつれ、グラフィックは美しくなり、使用データ量が増えてプログラムも複雑なものになっていくが、与えられたストーリーをプレイするという感じが強くなってしまった。
「バイオハザード」などゲーム機の高い性能が生かせるアドベンチャーゲームは素晴らしかったが、ロールプレイングゲームはグラフィックが美しくストーリーが複雑になった分、自由度がなくなり、想像力を働かせにくくなった、かえってつまらなくなったような気がするのである。