まだ余韻が残っている。
署長が「何人殺した」と聞き、3人のうち2人の靴下が脱がされていたカットから、ああ、もうだめか、このドラマこういう終わり方なんだ…と誤解してしまった。
星砂(せすな)と悠日(はるひ)が出ていった後、一人になった鈴之助の「宴のあと」の淋しさが身に沁みる。切なすぎる。
再び戻ってきた星砂が言う「風、気持ちいいですね」。わかる、そんな時間もある。最後までぎこちない二人の間合いも好きだった。
そして、もう会えないと知っての星砂の最後の告白
鹿浜鈴之助さん、
貴方に会えてよかったです。
貴方のことを好きになりました。
貴方はとても素敵な人です。
これからも貴方のことを想っています。
こんなことを言われたら、一生一人でも生きていける。
風が気持ちいい夜の公園のベンチ、コスモス、緩やかなスロープに灯るライト。
恋愛の始まりの煌めき、ときめきが絶頂の時にいなくなる。死でも別離でも心変わりでもなく、存在、人格がなくなってしまう。
自分の過去のささやかな記憶をはるかに上回る悲しみの大きさに、涙してしまった。
共感、憧憬、余韻の残るエンディングだった。
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このシーンのロケ地がなんとよく行く県立諏訪の原公園(小田原市)だと知り、久しぶりに訪れてみた。
たしかにここだ!展望公園のベンチ、丘の上のコスモスの群生、展望台のスロープ。
星砂が告白して、鈴之助が顔を覆って号泣した、3匹の犬やトイレの話題で二人で笑い転げたのがこのベンチ。
追いかけっこをしながら、自分の好きなことを挙げ合い、最後にお互いの思いを語ったのがこの展望台。星砂がスロープを下り、手を振っていたところだ。
公園の方に伺ったら、ロケは9月20日に行われ、映像で見られたスロープの灯りは持ち込みだったこと。おそらく背景のきれいなひかりもセッティングしたのだろう。小田原の夜景だけではあれほど美しくない。実にきれいに撮ったものだ。
このドラマのクランクアップが確か22日と放映日ぎりぎりで、だからコスモスの映像も新鮮できれいなのだな、と思ったが、まさかこの場所だったとは驚いた。
(ドラマと違って夜は入れません。)
印象に残るエンディングで、何回も見直したくなるドラマだった。
スタッフ、キャストのみなさま、素晴らしい作品をありがとうございました。