第2回目も見応えがあった。頼朝をめぐる伊豆の伊東と北条の争いに相模の大庭氏が仲裁に乗り出し、頼朝は八重と別れる。頼朝と義時は北条の館に戻るが、八重の最後に一目会いたいという望みを頼朝は拒否し、政子と親しくなる。最後の湯河原の温泉のシーンでは、出ていってください、とバカにする義時に対して、頼朝は実は平家と戦うつもりだと打ち明ける。
今回見て、2つ感想を持った。
ひとつは伊東と北条の争いの調停に来た大庭が、これこれが「落としどころ」だと言って、争いを収める場面。「落としどころ」という言葉を久方ぶりに聞いた気がした。
今の社会、主義主張に頑なで、対立する意見を聞こうとしないことが多い。「ジェンダー」「ハラスメント」最近では「誹謗中傷」と逆の「誹謗中傷」刈り。「人権」「多様性」といいながら多様な意見を認めない人たち。主張の良し悪しに関わらず。少し頑なすぎる社会。トランプも不寛容な「リベラル」も。
「落としどころ」という人間が長年培ってきた知恵とコミュニケーションを取り戻せば、もう少し寛容な社会ができると思ったりするのだ。
2つ目は政子が八重を訪れ、頼朝を諦めるよう進言し、八重は立腹するが、最後には飽きらめきれないが、諦めるように努める、と言って退く場面。
政子の物怖じしないたくましさと八重にもキッパリとした潔さを感じた。
所詮、ドラマの話だが、実際にも鎌倉時代の女性は巴午前のように男と共に戦ったり、北条政子のように政治を動かしたり、後の時代、例えば前の大河ドラマ「青天を衝く」で描かれた明治時代の女性よりもむしろ伸び伸びと自然に振舞っていたようだ。
現在のように何かの思想、主義から平等を叫ぶのではない、自然な感じが素敵だと思った。
さて、今回は武蔵国の比企氏も登場した。比企一族の行末は気の毒ではあるが、相模に住む人間としては、近隣の場所が登場するのでうれしい。このドラマも楽しみだ。