今週9月12日の「青天を衝け」は、栄一が実家に帰郷して、終盤で徳川慶喜と面会するという内容だったが、大変見応えがあった。
徳川政権の崩壊、明治維新という激動の時代の中で、栄一はパリから戻りやっとふるさとに帰る。時代の変わり目の中のふとした穏やかな時間。そんな場面を上手く表現していた。
誰にでもそんなタイミングがあるのだろう。時代の変わり目でなくても、ふとした穏やかに過ぎる時間。安らかで優しい時間。
そんな貴重な時間と久しぶりに会った親子、夫婦の愛情、身近な人たちの悲しみが身に染みる素晴らしい回だった。
終盤では駿府で謹慎をしている慶喜との面会があった。草なぎ剛は凄い役者だ。ほかの演技の上手い俳優なら多分別の演技があるのだろうが、理解し難い慶喜の内面を演技と言うよりも「存在」で表していた。これは草なぎでなければ出来ないだろう。
ドラマはパラリンピックで2回休みだったが、内容は凝縮されて、濃密だった。もしかすると、「大河ドラマ」って本当は毎週でなくこの位の頻度の方が良いのかもしれない、とふと思ったりした。