少し政治的な話になります。
昔、学生時代に経済学の教授が小選挙区制を盛んに批判していたこともあり、細川内閣の時、1994年に小選挙区制の法案が審議されていたのを関心を持って見ていた。
そもそも死票が多い小選挙区制は民意と結果がズレているおかしいな制度だし、無理やり二大政党制を作るという小選挙区制の目的も作為的なので、当時から疑問だった。
比例代表制を併用するのも、知名度の高いタレント議員が増えるばかりでおかしい。
そんなわけで、当時野党の自民党との折り合いがつかず廃案になりかけた時に、土井衆議院議長の斡旋で法案が成立した時、暗澹たる思いがしたのだ。
ところで最近、「教養としての政治学入門政治学」という本を読んでいて、小選挙区制の前提は「二大政党制」と「政治家への信頼」で、二大政党の政権交代がなかったり、政治家が暴走すると、システムとして機能しなくなるというような記述があり、なるほどと思った。
今の日本の状況にそのまま当てはまるのではないか。
小選挙区制については与党、野党を問わず問題意識があるようだが、中選挙区制に戻すべきだろうと思う。
ある意味、現在の政治の混迷やレベル低下の原因として、1994年の小選挙区比例代表併用制度の成立が少なからず影響を与えていると思う。
与党内で権力が集中して、党内批判が全く出ない、国民の声が届かない、極めておかしな状況になっていることも、小選挙区制で選挙区に1人しか公認されないことが原因の一つではないか。
憲法改正よりこちらの方が重要。
根っこから治さないとこの国が終わってしまう気がする。