「ロッヂで待つクリスマス」
「ユーミン」(実はこう呼ぶのは今でも恥ずかしいのだが)は同世代で、最初のアルバム「ひこうき雲」からのファン。荒井由実当時の初期の曲が大好きだ。
聴きなおして感動「ロッヂで待つクリスマス」
6枚目のアルバム「流線形‛80」(松任谷由実が24、5歳の頃)の最初の曲「ロッヂで待つクリスマス」は何度も聞いたことがあったが、スキー場の歌かぐらいで聞き流していた。
で、今 Amazon Music Unlimited に入っていていろいろな曲が聴けるので、改めて聴きなおしてみた感想。
スキー場のロッヂで一人残って花火の音を待っている若い女性を描写した曲なのだが、その心象風景が鮮烈で、こんな素晴らしい曲だったのかと感動してしまった。
出だしの「小さなつむじ風が~」からの月明かりのスキー場の風景は目に浮かぶようだし、女性が子どもの頃に熱があり外に行けなかった記憶とロッヂに一人残っている現在の女性とのシンクロがとても印象に残る。
サビの「きみのきみの声の~」や「森も谷も超えて~」の歌詞とメロディのマッチングと盛り上がりの情感が素晴らしい。感動的ですらある。
歌詞のシチュエーションと謎
ところで歌詞には謎がある。主人公の女性のシチュエーションがわからない。
いくつか考えられる。
- 恋人(または恋人を含むグループ)はナイターでスキーを滑りに行っているが何らかの理由で女性はロッヂに残っている。
- 恋人とスキーにきたが、何らかの理由で恋人は帰ってしまい、女性だけ残っている。
- かつてここに恋人とスキーに来たが、今は別れて、女性は一人(または仲間、別の友達と)でロッジに来ている。仲間と来ている場合、何らかの理由で一人で残っている。
酒井順子さんの説
「ユーミンの罪」を書いた酒井順子さんは、同書の記述を読むと1の立場で考えているらしく、熱を出して部屋に残された子どもは親の庇護下にあり、ロッヂで待つ女性は恋人の庇護下にある云々と書かれている。
「謎」の結論
でもなあ。曲調には恋人とスキーにきたウキウキ感はないし、女性がロッジで待っているのは恋人でなく「花火の音」だし、「きみの声のこだま」を追いかけているし、どうも自分にはその説はしっくりこない。最後のフレーズで「きっと違う明日が」とも言っているので違う気がする。
2も別れて女性だけロッヂに残る状況は考えにくいので却下。
とすると3なのかなと思う。さらに妄想すれば恋人は亡くなったのではないか。
「こだま」は生きている人に使う言葉ではないし、「森も谷も超えて」も単なるイメージの拡大というより、何か超自然的なものを感じるのだ。
「ロッヂで待つクリスマス」というタイトルから、待っているのは「恋人と迎えるクリスマス」だという印象を受けるのかもしれないが、曲の内容は「クリスマス」の日にロッジに一人でいて、待っているのは「花火の音」ということなのだからこの女性は寂しいと思った方がいいように思う。たぶん。
人によりまちまちでいいかも
勝手に書いてきたが、もし作者のユーミンに聴いたら、女性がロッジで一人で花火の音を待っている情景をみて曲を作っただけで、細かい設定は勝手に考えてよ!と言われるような気がする。
たぶんこの曲、人によって取り方がまちまちだと思う。いろいろ考えさせるのもユーミンの思うつぼかもしれない。
Amazon Music Unlimitedにはユーミンのアルバムがほとんど入っているようなので、聴きなおしてみよう。考えてみたら、この「流線形‛80」以降ベスト盤以外のアルバムはあまり聞いていない。
改めて聞いてみると、ユーミンの曲はベスト盤でなく発売当時のアルバムの曲構成と順番で聴かないと良さがわからないような気がしてきた。
Amazon Music Unlimitedに入っている曲について
7000万曲なのでかなりの曲が入っています。ただ、入っていない曲もあって、例えば1960年代のグループサウンズで代表的なヒット曲「夕陽が泣いている」「ブルーシャトー」「君だけに愛を」「エメラルドの伝説」のカバーバージョンやカラオケバージョンはありましたが、オリジナルは見つけられませんでした(吉幾三さんのカバーバージョンが意外に良かった。(笑))。
グループサウンズ系は弱いようです。ただベンチャーズはあって、ダイアモンドヘッド等懐かしかった。
曲の有無は著作権、版権等の承認のありなしだと思うので、日本で発売されたすべての曲を網羅するのはたぶん無理なのでしょうね。
※’60年代の曲を記憶で思いつくまま検索したら、オリジナル歌手の曲の有無は次のとおりでした
- 「青空のある限り」ワイルドワンズ あり
- 「亜麻色の髪の乙女」ビレッジシンガーズ あり(「公式海賊版」。なんだそりゃ)
- 「今夜は踊ろう」荒木一郎 あり
- 「ブルーライト横浜」いしだあゆみ あり
- 「東京の日よいつまでも」新川次郎 あり
- 「君といつまでも」加山雄三 あり
- 「黒い花びら」水原弘 あり
- 「いつでも夢を」吉永小百合橋幸夫 なし(橋幸夫のみあり)
- 「アカシアの雨が止むとき」西田佐知子 なし
- 「君だけを」西郷輝彦 あり
- 「高校三年生」舟木一夫 あり
- 「王将」村田英雄 あり
- 「東京五輪音頭」三波春夫 あり
- 「新宿の女」藤圭子 なし
(2020.11.17現在です。漢字が違っているなど、検索の仕方により出てこないケースもあるので確実ではない点、また、今後追加される可能性もある点ご留意くださいませ。)
このように比較的入ってなさそうな1960年代の曲を調べてもかなりの曲が入っているので、日本の歌謡曲やポップスは相当数入っている感じがします。それと、どちらかといえば近年にベスト盤等が出ている歌手の曲の方が収録されているような気もします。
Amazon Music の種類について下の表にまとめてみました。
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