keepr’s diary(本&モノ&くらし)

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【意見】コロナと休業補償。対策の足かせに。

Coronavirus Rendition

補償[名](スル)
1 損失を補って、つぐなうこと。特に、損害賠償として、財産や健康上の損失を金銭でつぐなうこと。「労働災害を補償する」「公害補償裁判」「補償金」
2 心理学で、身体的・精神的な原因によって劣等感をもつとき、それを補おうとする心の働き。アドラーの用語。→防衛機制
出典:  小学館デジタル大辞泉

 

保証[名](スル)ある状態がそこなわれることのないように、保護し守ること。「国家の安全を保障する」「社会保障
出典:  小学館デジタル大辞泉

 

日本においては、国家が行う損失の補償として、損失補償、刑事補償、国家賠償があり、これらを総称して、国家補償という。

損失補償

  • 日本国憲法第29条第3項は、私有財産の公的利用には補償を要することを定めるが、同条は通常の受忍の範囲を超え、かつ特別の犠牲を課す場合にのみ適用されると一般に解されている。
  • 例えば、道路工事に伴う土地の収用に対する損失補償がある。

刑事補償

  • 日本国憲法第40条は、「何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。」と定めている。すなわち、無罪となった刑事被告人への刑事補償である。

国家賠償

  • 補償の類似語として賠償がある。補償が適法な行為によって生じた損害について損害を填補するものであるのに対し、賠償は違法な行為によって生じた損害を填補するものである点が異なり、公務員が公権力を行使するにあたり故意又は過失により他人に損害を与えた場合や、道路、河川等の設置又は管理に瑕疵があったために他人に損害を生じた場合の賠償を国家賠償という。

出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

 

緊急事態宣言が出ている頃から、休業と補償はセットだという意見が各方面からありました。休業要請をするなら休業補償が必要だという意見です。

休業補償については当時から、疑問に思っていました。それは、

 
  • 直感的に、非常事態なのだから、感染を止める対策が最優先で補償は次の問題だと思った。
  • 損失分を全額補償すべきという意見があり、どうも損害賠償と混同しているのではないかという気がするが、「補償」を損害賠償と同様と考えてみると、損害を与えたのはコロナウイルスで、被害を受けたのは国民全部。コロナウイルスに損害賠償請求するのか?なので損失分を全額補償するという意見はあり得ない。
  • 国家補償の意味で言っているなら、ひとまず国が違法な行為によってあたえた損害を補填する国家賠償にはあたらない。(今回の事態は国の不手際が大きいが違法な行為とまでは言えない。)私有財産の公的利用に対する補償でもない。※私権を制限するのだから補償すべきとの意見があるが、私有財産の公的利用以外の私権の制限に対して補償するという根拠、法律はない。
  • そうすると社会保障の意味で言っているのだろうが、社会保障は国民全体で社会的弱者を保証する仕組み。今回の「補償」対象は全国民。現在の全国民が現在の全国民に払うのか?堂々巡りするだけで意味はない。また、どこに財源があるのか。自分のことで手一杯なのにそんな余裕はないだろう。
  • としたら将来の国民が現在の国民に対して保障するということだろう。具体的には赤字国債を発行して将来の税収で賄う。ただ、今でさえ過重な財政赤字の中、野放図な負担ができるわけがない。
  • だから保障の対象も全国民一律ではなく、特に損害を被っているところに重点的に配分が必要。負担するのは将来(どの時点?)の国民であるとしても、考え方としては国民全体でより被害の大きな人々を助けるということ。
  • だから、今回のコロナウィルスで受けた損失全てを「補償」しろという要望はあり得ない。助け合いなのだから、できる範囲で「補償」するということになる。
  • 加えて「補償」という言葉も使わない方がいい。社会保障の意味で「保障」、むしろ「支援」という語を使うべき。損害賠償、国家賠償のようにいうと、権利だと勘違いしてする人が出てくる。
  • さらに言えば休業補償の話をするとき、だれがそれを負担するのか、財源は何かという視点が少なくともマスコミにはあまりない。質の低下が酷いと思う。
  • 長くなったが、休業要請には「補償」がセットという議論は明らかにおかしい。そうした言い方をするから休業要請は受けるが「補償金」をもらう権利があると勘違いしてしまうだろう。ある食堂で食中毒が出た、保健所から休業命令が出たが「補償」がなければ店は休まないと言えますか?
  • 「補償」が全く不要と言っているのではない。損害、被害の程度に応じて国民が助け合う保障、支援は必要だ。被害損害の程度に応じて、財源を見ながらメリハリをつけて行うのが国の仕事でしょう。

 

おそらく、マスコミも、野党も政府も上述のようなイメージを持っている。

だから、新宿のホストクラブを新たに「補償金」を出して休業させるなどどいうおかしな施策がでてくる。大変なのは他の店も同じ。今までの都や国の交付金で対応すべきだろう。

 

結局、休業要請には「補償」が必要という考え方に縛られ、都も国も新たな対応策が出せないのではないかと思う。

 

非常事態宣言と時とは手のひらを返したような、国民を守る気が全く見られない姿勢はそのせいではないか。

 

おそらく財務省、麻生財務大臣あたりから財源がないと強い抵抗があるのだろう。

(財源の議論をすることは必要だが、財源の許す範囲で対策を行うという考え方が正しい)

全くタイミングのおかしいGo to キャンペーンの前倒しも、国土交通大臣は観光関係業者からの強い要望と言っていたが、税収不足を懸念する財務省の強い要望があったと推測される。

 

コロナ対策と休業補償いったん、切り離して考えたほうがいい。

 

また、「経済」(これもおかしな言い方で生計、生活と言うのが適当と思う)が大切なのは当たり前。だけど目先の生計にとらわれてはダメ、大きな目で考えるのが国、都の仕事だ。

 

そうでないと、更に大きなダメージを負う。前回よりたくさんの人が死ぬ。あなたも私も。

 

 

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