keepr’s diary(本&モノ&くらし)

ネット、読書、音楽、散歩、最近はイラストが趣味のおじさんです。趣味、商品、暮らしの疑問、感想を思いつくまま綴ります。

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【本の感想】沢村鐵「クランⅤ 警視庁渋谷南署巡査・足ヶ瀬直助の覚醒」


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あらすじ

神の配下の会議で神の代理人能登令子は上郷の秘密を明かしクラン抹殺を指示する。クランで上郷は自らの秘密を明かす。研究院に向かったワイズは兄と能登令子に会う。岩沢は護送中の猪俣助役を奪還し、裏理事官を誘い出すことに成功するが逃げられる。神側の計略により、クランメンバーは渋谷同時多発テロの濡れ衣を着せられ指名手配されるが、上郷たちの向かった先にはある人物が待っていた。

目次

  • 第一章謀議
  • 第二章述懐
  • 第三章宮殿対旋律――相転移
  • 第四章表裏
  • 第五章双神
  • 第六章翻転エピローグ――再結晶

感想

この巻は展開が大きく面白い。たくさんありすぎて頭が混乱するほどです。

まず、神の配下のメンバーが登場し、クラン抹殺命令が下され、上郷の素性が明かされる。六原の裏切りで区界が倒れ、公安内部でも争いがあり、ニセ裏理事官と真の裏理事官、次期の神、最後には〇〇(これは書けません)まで登場するのですから。

 

しかしこの作者は〇〇が好きだ。一柳美結シリーズでも登場したが、現実の〇〇はこんなにかっこよく正義の味方ではないが理想の姿を描いているのでしょう。特に一柳シリーズで登場した方が今の日本にいてくれれば、こんなにうれしいことはないのですが。

 

神の配下の会議の場面。いろいろなキャラが登場しますが、人間関係が複雑なので少しわかりにくかったかもしれません。また、現役の警察庁の局長は相当偉いので民間人がこんなに罵ったりはしないと思いますが、それだけ神の威光があるということでしょう。

 上郷奈津実(奈津美でないところが好きです)の素性にはびっくりしました。

「あの娘が、本土時代に……正統な後継者だったと?」

 

今回も上郷がかっこいいです。素性が明かされたがなるほどという感じ。命知らずなのもすごくて、尊敬するほどです。

 「それに、上郷は警察を離れてもやりたい放題をやるに違いありません。なんとも悪賢い女です。あんな目立つ真似をしながら、捕らえることができない。隙がないのです」

 生意気な娘は嫌いなのですが、この娘礼儀もわきまえていておじさんとしては大変好感が持てます。

 

真の裏理事官が登場するまで、前座のニセ裏理事官やその部下が出てきますが、このニセ理事官には人間味があって、悪い奴なのですがなぜか同情してしまいます。

裏理事官の正体はもっと意外な人の方が良かったかもしれません。この人も意外ではあるが小物なので。

 

渋谷の同時多発テロはいろんなことが同時に起こってこちらもパニックになってしまいました。

代々木公園、明治神宮、渋谷駅、警察署に手りゅう弾。こうしたたたみかけはワクワクしてとても好きです。

『――渋谷南署の正面玄関に、手榴弾が投げ入れられた模様。繰り返す。渋谷南署の正面玄関に、手榴弾が投げ入れられた模様

さて、追い詰められたクランのメンバーは最後に頼った○○の力と次期の神を味方につけて、どのように反転攻勢にでるのでしょうか。

「閥には、神がいる。クランにも、神に相当する人物を後ろ盾につけるのです」

 

これはもう次の巻を読まない人はいないでしょう。

おすすめです。

今までのストーリー

  1.  【クランⅠ 】渋谷で警察OBの射殺死体が見つかるが、女性検視官の綾織は自殺と判定する。間違った鑑定が多いことを懸念した捜査一課長は部下の晴山に調査を命じる。調査の過程で、晴山は警察の闇組織とそれを追求する秘密組織クランに出会い、クランは綾織の恋人、捜査二課北森殺人の犯人を突き止めるが、その犯人とみられた捜査一課蓑田が拳銃自殺してしまう。
  2. 【クランⅡ】 警視庁内での拳銃自殺について、大混乱の中公安部が調査に乗り出す。一方渋谷で巡査が銃撃された事件を追う岩沢は、渋谷の伝説の組長唐橋に会い「神」の話を聞科される。「クラン」は捜査二課北森の死の真相を突き止めるため、神奈川県警の警部補を追及するが、追いかけた渋谷駅地下で、過激な環境保護団体による毒ガス放出事件に遭遇し、その中で岩沢と晴山は神に出会う。
  3. 【クランⅢ】 渋谷地下の事件で神に出会った晴山と岩沢。クランは公安部の区界を中心に神の正体に近づいていく。岩沢は伝説の組長唐橋から神について新たな事実を知るが、大崎の水族館で新たなテロ事件が起こる。偶然居合わせた足ヶ瀬巡査たちは人質となってしまい、神の命令でSATのスナイパー平津戸足ヶ瀬を狙撃するが、軽傷で助かる。唐橋を殺した黒マントの神を追うクランメンバーは渋谷デライトに神を追い詰めるが、黒マントの男は射殺されていた。
  4. 【クランⅣ】 神を取り逃がしたクランは、分かれて神の正体を追う。岩沢は養護施設で足ヶ瀬巡査の生い立ちを知る。足ヶ瀬たちはソンシの行方を探すが、訪ねた先の研究所で出会った川内係長と黒マントの男を追跡する。晴山と岩沢は事件に関連する拳銃密売人確保に向かうが、神の手先に囚われる。神の指令で渋谷スクランブル交差点にマスク姿の外国人が集まり黒マントの神を撃つが、もうひとりの神に扮した上郷が騒ぎを沈静化する。一方、千徳と洞泉が襲われる…

 この作品をおすすめする人

  •  楽しくワクワク読書をしたい人
  • 警察小説が好きな人
  • エンターテイメント小説が好きな人
  • ストーリにのめりこんで本を読みたい人
  • 沢村鐵が好きな人

著者と主な作品について

こちらを参照 ↓
keepr.hatenablog.com

 


クランV - 警視庁渋谷南署巡査・足ヶ瀬直助の覚醒 (中公文庫)

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