あらすじ
長野県警から警視庁捜査共助課に就航して3年目の御子柴啓二、仕事も甘味も要領をつかんで活躍中だが、年末も迫った数日、ひょんなことから立て続けに偶然事件を解決。だが、最後に起こった予想外の事態!事件を契機に御子柴くんの身の上は大きく変わり…
目次
- 御子柴くんの災難
- 杏の里に来た男
- 火の国から来た男
- 御子柴くんと春の訪れ
- 被害者を捜しにきた男
- 遠距離バディ
感想(少しネタバレ)
正直に言うと前作「御子柴くんの甘味と捜査」よりこちらの方が好きです。
理由は、
- 冒頭の事件。これ相当インパクトありました。(この短編は、リズムの良さ、ストーリーの直線的な分かりやすさ、衝撃度があり、若竹さんの多くの短編の中でも白眉の作品です。)
- 前作はビターな事件とスウィーツの組み合わせに少し違和感を感じる人がいたと思うが、今回はスウィーツはあまり出てこないので、違和感はない。
- 前作の最後の謎解き役の小林警部補は「プレゼント」の時のセーラームーンの自転車というコミカルキャラクターからから引き継いでいたため、少しおふざけ感があった。本作ではそれがなくなった(著者もそんな感じがあり、設定を変えたんでしょうね。)
- 内容が適度にリアルで適度に輻輳している。前作では輻輳しすぎていました。
さて、本作冒頭の「御子柴くんの災難」は上述のように面白いほど、犯罪が解決していくが、年末の異常な繁忙を超えた警察署で起こる思いもよらぬ災難。
2つ目の「杏の里に来た男」は御子柴くんが長野県で迎える事件。毒キノコの盗難事件から始まりますが、アメリカ暴走族上がりのとてつもなく凶暴な親父や、拳銃を乱射した覚せい剤の強奪という派手な事件につながってきます。これアクションがあって面白い。
最後の「遠距離バディ」も味があっていいです。冒頭の山での被疑者との同行シーンでの会話はしみじみします。パワハラによる自殺を恨んでの犯行というのも現実的で、班員に同情すら覚えます。
そして最後には…
この作品を薦めたい人
この作品はミステリー好きなら誰にでも勧められます。ただ、若竹七海独特の輻輳したストーリーなので、単純なストーリーを好む方には違和感があるかもしれません。
全6編の短編ですが、それぞれに良く寝られた佳品です。
タイトルがコージー風なのがむしろネックかもしれません。
読みごたえのある短編集を求める方に、おすすめします。
著者と主な作品
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