著者、主な作品について
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あらすじ
目次
- 序曲――皇の憂悶
- 第一章 遮光
- 第二章 偏光
- 間奏一――長の昔日
- 第三章 烈光
- 間奏二――総の震駭
- 第四章 光音天
- 間奏三――総の不撓
- 第五章 曳光
- 終曲――ネオ・デュオ
- 最終曲――レクイエム或いは
感想
いよいよ結末。
スケールが桁違いに大きくなってきたので、最後どうなるか気にしながら読みました。
この巻は美結の復讐劇から始まります。
主人公が急に悪人になるのは少し違和感があるが、過去のひどい事件があるやむを得ないか。どっちの結末になるのかを楽しみつつ読めます。
このあたりの追跡劇面白いです。
そしていよいよ美結の家族のこと、父がどんな人物だったのか、なぜ殺されたのか、高官とのかかわり、田中とのかかわりなど次々と明かされてきて、興奮します。
特に父の教え子がだれで美結とどうかかわるのかがはっきりしてきて、物語の全体が見えてきます。
そのかかわりを知ると、すげーな!といった感じでときめきワクワク。これがこの作品の醍醐味なのでしょう。
ストーリとしての結末は意外にあっさりしていて、あれ終わりが早すぎるんじゃないの、この後は謎解きだから少し冗長かなと思いるる読んでいくと、その後に起こる様々な事件。これは意外でした。
余韻のある終わり方で、なかなかいいですね。主人公の心理が今一つ描けていない気がするのは残念ですが…
ストーリー全体を振り返って
読み通してみて、やはりこのシリーズ面白いです。
祭りの高揚感のようなものがあります。
それは、
- 登場人物が魅力あること
- ストーリ展開が急、しかし展開が心地よいこと
- ワクワク感があること
- 読後感が良いこと
などでしょうか。
こんなにワクワクしたのは、相当古い例で知らない人が大半だと思いますが、平井和正の「幻魔大戦」「ウルフガイ」シリーズ、夢枕獏の「魔獣狩り」シリーズを思い出します。
ストーリ展開は急ですが、ある意味予想を裏切らない、読者の気持ちの良い方に展開してくれます。
ワクワク感、高揚感、ときめきそれはこうしたことからでしょうね。
アドレナリンやエンドルフィン、ドーパミンなどの脳内麻薬が出るのでしょうねきっと。
内容はまさにエンターテイメントで、佐々木講師の唱えるどんな人間も殺さない平和主義の理論が幼稚だとかいう批判もありますが、結局エンターテイメントとなのです。そう思って読むのが正しいのです。
また、多少のご都合主義はありますが、全体的にストーリーやデイテールはよくできています。
ということで、改めて、このシリーズ高揚感をもって読めるのでするのでおすすめします。
それからこの作者の著書はまだまだ知名度は低いので、kindleではこの一柳美結シリーズやクランシリーズのほかは数編しか読めません。
もっともっと刊行していただきたいですね!
この本(シリーズ)をおすすめする人
上述の通りです。
ぐいぐい内容に引き込まれていく話なので、どなたにもお勧めできます。
刑事もの、警察小説が好きな方、陰謀ものが好きな方、ワクワクするエンターテイメントが好きな方には特におすすめ。
高揚感を求める方。心地よい読後感を求める方。
おすすめです。
シュラ -警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結4 (中公文庫)
ネメシス - 警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結3 (中公文庫)
スカイハイ - 警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結2 (中公文庫)
フェイスレス - 警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結 (中公文庫)