著者
伊坂 幸太郎(いさか こうたろう、1971年5月25日 - )は、日本の小説家。千葉県松戸市出身。東北大学法学部卒業。
主な作品
- 2000年『オーデュボンの祈り』第5回新潮ミステリー倶楽部賞
- 2002年の『ラッシュライフ』
- 2003年の『重力ピエロ』
- 2003年『陽気なギャングが地球を回す』
- 2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』第25回吉川英治文学新人賞を受賞。
- 2004年『死神の精度』 第57回日本推理作家協会賞短編部門
- 2008年『ゴールデンスランバー』本屋大賞、第21回山本周五郎賞
- 2014年『マリアビートル』第7回大学読書人大賞
- 2017年『AX』第6回静岡書店大賞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
あらすじ
「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。この物騒な仕事をしていることは、もちろん家族には秘密だ。克巳が生まれた頃から、兜はこの仕事を辞めたいと考えていたが、それは簡単ではなかった。「辞めるにはお金が必要です」という仲介役の言葉を受け、仕方なく仕事を続けていた兜はある日、爆発物を仕掛ける計画を立てていた集団の一人を始末せよ、との依頼を受ける。標的を軽々と始末した兜だったが、意外な人物から襲撃を受け……(「AX」)。「AX」「BEE」「Crayon」「EXIT」「FINE」の全5篇の連作集。『グラスホッパー』『マリアビートル』に連なる、殺し屋シリーズ最新作。
殺し屋シリーズ
累計260万部を突破する、伊坂幸太郎屈指の人気シリーズ。「蟬」「蜜柑」「檸檬」「槿」「天道虫」「スズメバチ」「兜」など、個性的な殺し屋たちが登場。日常の裏側で、組織や殺し屋たちが交錯する。『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』の3作がシリーズ作品。各作品は関連するものの続編ではなく、独立した作品となっている。
以上 出典:講談社HP
「AX」の目次(元々は独立した連作集)
- AX
- BEE
- Crayon
- EXIT
- FINE
感想
殺し屋シリーズ!
Kindleで読みました。
伊坂幸太郎の殺し屋シリーズは大好きで、『グラスホッパー』『マリアビートル』をワクワクときめいて読みました。
殺し屋シリーズなので当然人を殺すのですが、あまり残凄な描写はなく、あっけらかんとして、ほのぼの…まではいきませんが、いやな感じはなく、読後感はいいシリーズです。
むしろ、最近のミステリーやテレビドラマの方が残酷ですね。
楽しめるストーリー展開
さてこの小説ですが、今までのような殺し屋の世界だけでなく、殺し屋の家庭まで入り込んだ物語が斬新で新しいところです。
殺し屋に家庭はあるのと思いますが、この話しでは文房具メーカーの営業社員というところも可笑しいです。
凄腕の殺し屋のくせに家庭では妻にお玉の上がらない恐妻家。いつも妻の言動にびくびくしながら暮らしている。まずこの設定が笑えるというか泣けてきます。
自分も。そもそも女ってなんであんなに事項中で陰険でしつこくて…愚痴が出てきます。(まあ女性も同じことようなことを思っているのでしょうが)
主人公兜はいつも自分と妻との会話に、言葉の裏を読まれて妻が機嫌を悪くしないがびくびくしながら暮らしてるのですが、一番笑えたのは、夜遅く帰宅して空腹のときの食べ物はカップ麺はお湯を注ぐ音や、包装をはがす音がするからだけで、一番いいのおは魚肉ソーセージという部分でした。同感できるところがあり、泣けてきました。
妻ってどうしていつも旦那の言動を見張っているのでしょうね?
BEEで殺し屋のくせにスズメバチ殺しを恐がったり、Crayonでは友達になれそうな人と別れる羽目になったり、いろいろなことがありますが、殺し屋の方のストーリーは、予想外のピンチにも襲われますが、そこは最強の殺し屋なので、危なげなく切り抜けます。
ただ、一度仕事で情けをかけてしまったことから、殺し屋の仕事の紹介元である「医師」の感情を害することになる。それから…
切ない終盤とラスト
物語は時間をさかのぼったりしながら、結末に向かいます。
ラストのこんなで文章に泣けました。詳細は読んでのお楽しみです。
"その馴れ馴れしさに身構えそうになった。「楽しいことなんて思いつかない」とだけ答えた。「楽しさとは無縁なんだ。ろくな」人生ではない。 「そう?」彼女の声は優しく、ごく自然に私の耳に入ってきた。「悪い人には見えないけれど」"